探検家の髙橋大輔さんが,福見に伝わる鬼の伝説(平瀬の切り石)を 髙橋さんのブログで紹介しています。 それによると秋田に伝わる伝統行事ナマハゲの伝説と,福見に伝わる平瀬 の切石伝説が,同じモチーフだそうです。
秋田では,一番鳥が鳴く前に1000段の階段を完成すること。 久賀島では,一番鳥が鳴く前に住処を築いてしまうこと。 そして,どちらも相手は鬼であり,完成間際に「コケコッコー」と鶏の鳴 き真似をして難を逃れています。
ぜひ,髙橋さんのブログをご覧ください。秋田と久賀島,この遠くはなれ た場所で,なぜ同じようなモチーフの伝説が残されているのか考えてみる のも面白いのではないでしょうか。
コケコッコー型鬼伝説のゆくえ
髙橋大輔さん ブロブ
・髙橋大輔さん 福見の民話を訪ねる
[民話の聞き取り]
[恵剣寺へ続く道]
[福見海岸]
鬼たちが上陸しようとしていた福見海岸で 海からのメッセージを探してみる。
髙橋大輔さんは、久賀島でとても丁寧に聞き取り調査を行いました。 物語の舞台へも出かけ、その場所の持つ雰囲気をご自分で確かめていたようです。 「物語を旅する」ことの面白さを、この秋田の鬼伝説と久賀島の鬼伝説で、 さらに深く感じました。福見の鬼伝説に隠された歴史的背景は、どのようなことなのでしょうか。 そして、なぜニワトリなのでしょうか。
・福見には,数々の鬼伝説が残されています。鬼とは,海賊ではなかったかとも言われています。
[大きな石の柱が沈んでいるという平瀬]
[鬼たちが上陸できなかった福見海岸]
[福見の水田(昔は献上米を作っていました)]
[水田の中には,化け物を封じ込めるための塚があります。]
福見には,多くの鬼伝説があります。しかし,福見は青々とした水田が広がり,川には川魚が泳ぎ, そして野生のクレソンがあり,鬼とは無縁のように見えます。この水田からできる米やきれいな水が欲しくて, 鬼は福見に住みたかったのでしょうか。
しかし,目を転じると久賀島には九十九谷あるといわれるように,山々が連なり,鬼が隠れ住むには格好のところです。 その気になって山々を見ると、すぐにでも木々を倒しながら鬼が出てくるような気がします。
ニワトリの鳴き真似をして鬼を追い払った福見の恵剣寺の僧侶は,代々高僧でなければ務まらなかったといいます。 それは,鬼や化け物がでたときに対応しなければいけなかったからです。それから察するに,この化け物は, キツネ・タヌキのような類のものではなかっただろうと,久賀島村史に書いてあります。
久賀島は,中国からの漂着船が多かったという記録もあります。 昔は大海原を渡って,この久賀島に様々な人達が来ていたのでしょう。 化け物を封じ込めるための塚は,舜悟代氏によって建立されたと記録にあります。この舜悟代氏とは,いったい何者なのでしょうか。 謎は深まるばかりです。髙橋さんに倣って物語を旅してみようと思います。